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逝きし世の面影

1378373706367.jpg 以前から読みたいと思っていた本があった。それは「逝きし世の面影」である。なかなか買う機会を持てずにいた。この本は1990年代に刊行された。時々思い出しては忘れ、また思い出すという感じだった。本屋に行き探し忘れることも多かった。最近、アマゾンで本を買うことも多くなった。それを利用して,中古本を注文した。いつもよりも時間がかかった。 8月23日付の朝日新聞で,著者の渡辺京二さんのインタビューが掲載されていた。この記事で再び思い出して、早速購入した。  500頁に及ぶ本は,読破するのに時間はかかるが、幕末から明治にかけて日本に滞在した外国人の記録には、驚くことばかりだった。時間をかけて一読の価値がある。 現代に生きる私たちが忘れている日本人のよさ、規律と秩序が保たれていた日本のよさを知ることができる。 モースの言葉「日本に貧乏人はいるが貧困は存在しない」は印象的だった。 日本では、貧は惨めな非人間的形態をとらない。日本は貧は人間らしい満ち足りた生活と両立すると彼は言っていると記されている。 イザベラ・バードは東北横断の旅で米沢に入ったとき,こう記している。「米沢平野は南に繁栄する米沢の町、北には人で賑わう赤湯温泉をひかえて、全くのエデンの園だ。鋤のかわりに鉛筆でかきならされたようで、米、綿、トウモロコシ、煙草、麻、豆類、茄子、くるみ、瓜、胡瓜、柿、杏,柘榴が豊富に栽培されている.繁栄し自信に満ち、田畑のすべてがそれを耕作する人々に属する稔り多きはほほえみの地、亜細亜のアルカディアなのだと言っているという。 オールコックは、日本は「子供の楽園」。親は躾で子供を叩かない。 インタビューで渡辺さん言っていたが、人が生きていく上で大切なことは「どんな友に出会ったか、どんな仲間とメシを食ってきたか。これが一番」であると私も思う。そこでどんな関係ができて、何を得て,どんな人間になるかということが生きる意味だと思う。 最近は、経済を中心に効率が優先されるあまり、「どんな」というプロセスが疎かにされている気がしてならない。 温故知新というが、日本人はもっともっと「故きを温ねて新しきを知る」という世界を持っていいのかもしれない。年のせいかもしれないが、最近古いものによさを感ずる。原点を知る喜びもある。 自分の故郷に目を向けて、ゆっくりと生きる術を探りたいとも思うこの頃である。

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